宅建士に合格するには、300時間の勉強が必要と言われています。
しかし本質は時間ではなく効率の良い勉強があっての結果で、もっと短い勉強時間で合格している人がいることを忘れてはいけません。
この記事は、宅建士に短期1発合格した筆者が、試験科目を細分化して考えた効率の良い勉強法について解説しています。
本記事の内容
宅建士の試験の本質
宅建士の効率の良い勉強方法
この記事を書いている僕は、過去に独学で勉強して、1発で短期合格をしました。
目次
宅建士の合格に必要なのは勉強時間ではない
宅建士の合格に必要な勉強時間は300時間と言われますが、まず時間で考えるのはやめたほうがいいですね。
それよりも大切なのは勉強の中身で、一旦時間のことは忘れて、合格ラインに乗るのために必要な勉強方法と勉強内容を考えましょう。
僕は宅建士の試験科目を次のように細分化して、学習計画を立てていました。
宅建士の試験の本質を探ろう
宅建士の出題内容は権利関係14問、宅建業法20問、法令上の制限8問、税・その他8問の4つの科目からなります。
効率の良い勉強を考えて、これをさらに細分化します。
そのうえで50問中8割の正解を目指し、はじめから捨ててもいい問題を意識しておくと勉強が楽になります。
過去の最高合格点が37点なので、37+1点を目指した勉強をすることです。
宅建士の試験科目を細分化して考察
さらに宅建士の試験科目を細分化して、直近過去10年の出題内容を見てみると、
民法10問、借地借家法2問、区分所有法1問、不動産登記法1問、都市計画法2問、建築基準法2問、宅地造成等規制法1問、農地法1問、土地区画整理法1問、国土利用計画法1問(または法令上の制限総則)で出題されています。
重点的に勉強するのは民法(10問)と宅建業法(20問)ですが、法令上の制限で出題される農地法、宅地造成法、土地区画整理法、国土利用計画法は勉強範囲が狭く、勉強しやすいので得点に繋げたいところです。
このようにさらに細分化してみれば、宅建士の試験攻略に向けて、対策がしやすくなります。
権利関係
権利関係は民法10問、その他借地借家法2問、区分所有法1問、不動産登記法1問の合計14問の出題がありますが、民法で8問、その他2問で合計10問は正解できるように勉強します。
特に区分所有法はボリュームが多く、実は奥が深く条文が細かいので、深入りしないようにテキストと過去問を一通り解く程度でいいと思います。
借地借家法は民法の賃貸借と比較して読むと理解が深まります。
ポイントは建物使用目的で結ぶ土地・建物の賃貸借契約に適用されるのが民法の賃貸借ではなく借地借家法となり、区分マンションの法適用の場面では、区分所有法が適用になることです。
民法はあらゆる場面で適用になる法律ですが、このようにある特殊な場面では優先して適用される特別法があります。
権利関係で目標とする点数は10点です。
法令上の制限
法令上の制限ですが、ここは捨て問と得点源の問題を区別して、メリハリを付けて勉強する分野です。
農地法、宅地造成等規制法、土地区画整理法、国土利用計画法は力を入れるようにしましょう。
次に建築基準法です。
都市計画法は正直なところ僕も苦手でした。勉強のボリュームもあって難しい科目なので、1問正解できればOKな感覚でいいと思います。
目標とする点数は5点です。
宅建業法
宅建業法は一番分かり易く勉強がしやすい分野です。
ここは得点源として、最低8割は正解したいですね。
目標は16点です。
税・その他
税・その他の分野は広く浅い知識が求められるので、少し勉強しずらいところだと思います。
特に統計や建物に関するものは勉強の的が絞りづらく、ちょっと運的な要素も感じますが、テキストと過去問はしっかりやっておきたいところです。
税法は毎年2問の出題があるので、ここはしっかり勉強しましょう。
実務従事者の方は5問免除の適用がありますが、それ以外の方は挑むことになります。
独学の方は不安を感じるかもしれませんが、そんなときは予備校の科目別の講座のみ受講してみてもいいかと思います。
目標は4点です。
ここまで各科目ごとに参考に目標点数を挙げましたが、合計すると35問です。
まずは合格ラインに乗る土台作りとして、最低限この点数が取れるように勉強を組み立てていきます。
しかしながら、安全圏の38点には3点足りませんので、どこかで補う必要があります。
勉強を進めて行くと得意、不得意な分野が出てきますので、得意な分野で補うようにしましょう。
宅建士の合格に必要な勉強内容と効率の良い勉強方法
ここまで宅建士の試験科目を細分化して、各分野ごとの目標点数を挙げました。
これから僕が合格した時の勉強方法も踏まえて、合格ラインに乗る土台造りに必要な勉強内容を解説します。
個人差がありますが、まず基礎を固めるために、テキストは本試験までに最低3回は読み、過去問は過去10年以上遡ったものを最低3回は解くのがいいと思います。
テキスト読むときや過去問を解くときは、次のように意識して勉強を工夫すると、より理解が深まり、効率の良い勉強ができます。
テキストの読み方
テキストはメリハリをつけて読むようにします。
メリハリとは通読、精読、熟読と徐々に質を高めていくことです。
最初は一回で全部覚えようとせずに、テキストの最初から最後までとりあえず通して読むだけにします(通読)。
まだ要点がわかっていない段階なので、アンダーラインは引かないようにしてください。
ここで一周までにかかった時間、1時間あたりに読めるページを把握して1時間当たりの自分のペースを把握しておきます。
全科目のテキストが読み終わったら、また最初に戻って2週目に入ります。
今度は一回通して読んでいる安心感もあり、1回目よりも読むスピードが上がり、少し内容も分かるようになります。
2週目で心がける事は、1週目よりも細かいところまで読み、要点と感じるところにはアンダーラインを引きます(精読)。
全科目読み終えたら、今度は過去問を解きます。
過去問の解き方
テキストを2回読み終えたところで過去問に入りますが、間違えた箇所や要点はテキストの該当箇所の余白に書き込むようにします。
これをやると最終的に自分だけのオリジナル最強のテキストが出来上がります!
3週目は前回引いたアンダーラインの箇所や過去問を解いた時に書き込んだ箇所、項目ごとの要点をより詳細に読むようにします(熟読)。
全科目読み終わったらまた過去問に入ります。
このようにテキスト読むときは、通読、精読、熟読を心がけて、最低3回読み終わったころにはある程度の土台ができていると思います。
過去問を2回一通り解いて弱点がかなり見えてくると思います。
弱点が炙り出せたのなら該当箇所をテキストで確認し、また過去問を解きます。
このように勉強は同じ作業の繰り返しです。
今回この記事をまとめるにあたり参考にしたテキストや、受験に役立つ教材はこちらにまとめていますので、是非ご参考にしてみて下さい。
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宅建士の勉強におすすめの市販テキストと教材
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宅建士の勉強を1周するのにかかる勉強時間を把握しよう!
宅建士に合格するには、勉強を開始してからは日にちを空けずに毎日コツコツ繰り返し勉強する必要があります。
ダラダラと日にちを空けて勉強していたのでは知識が定着せず、無駄に勉強時間を費やすだけです。
1時間あたりで読めるテキストのページ数、過去問を解ける数を把握して、テキスト+過去問を1周するのにかかる合計の勉強時間を把握します。
これをすることで、自分の学習ペースが把握でき、試験日までの日数と一日の勉強時間の予定を立てて、学習計画を立てるようにします。
直前対策
試験直前期の対策で最強のアウトプットツールとしておすすめなのは一問一答式の問題集です。
知識の定着と再確認にかなりお役に立つと思います。
毎年必ず出題されている出題範囲が狭く勉強のボリュームが少ない科目を重点的にやります。
借地借家法、宅地造成法、農地法、土地区画整理法の対策は直前予想模試と過去問がおすすめです。
学習環境を整えよう
勉強をするにあたって、集中できる学習環境を作るのがとても大切になります。
特に机や椅子は重要で、これだけで集中力に違いが出ると思います。
テキストや過去問も大切ですが、身の回りの学習環境を整えるのことも受験には必要です。
こちらに集中力アップにおすすめの勉強アイテムをまとめていますので、学習環境の整理にお役立てください。
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全ての学生と受験生に捧げる!勉強の集中力アップにおすすめのアイテム16選
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勉強方法を見直そう
厳しい事を言うようにですが、数回のチャレンジも実らず合格に至らないようでしたら、自分の学習スタイルを見直す必要があるかもしれません。
そもそもの勉強方法が自分の適性に合っていない可能性があります。
独学で勉強するのに学習環境が悪い方、自主的に勉強できない方など、心当たりがある方はこちらの記事を一度確認してみて下さい。
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宅建士に独学で1発合格した短期合格者の勉強時間と勉強方法とは?
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