資格

ITエンジニアに定番となっている人気のIT資格

ひとえにIT業界といってもさまざまな職種があり、それに関連する資格にも国家資格からベンダー資格まで多様に存在しています。

専門性の高い資格だけではなく、これからIT業界を目指す未経験者や初心者向けの入門資格や認定試験もあります。

この記事ではIT業界では定番となっている人気資格を3つご紹介しますが、いずれもI転職やキャリアアップに有利となるものです。

 

本記事の内容

これからIT業界を目指すうえで、おすすめの入門資格(国家試験)のご紹介

入門資格(国家試験)の試験概要と受験者・合格率の推移

 

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ITパスポート

ITの入門資格として最初にご紹介するのがITパスポートです。

ITパスポートは平成21年から実施されている国家試験で、受験資格は特になく、年齢、学歴、性別、実務経験に関係なく、誰でも受験することができます。

受験者数は年々右肩上がりで伸び続けており、近年は年間10万人を超える人気の資格になっています。

受験者の内訳を見ると高校生や専門学生、大学生などの学生も多く、社会人では非IT系企業の受験者が増え、社会のIT技術のデジタル化に伴う取り組みの進展が伺えます。

 

試験概要

私たちの暮らしや企業活動など、あらゆる場面に欠かせないITですが、この試験では、新しいIT技術や手法に関する知識をはじめ、経営に関するITの知識やセキュリティ、ネットワーク、プロジェクトマネジメントなど幅広い分野の総合的知識をが問われます。

試験は年間を通じて随時実施されていて、受験時期や場所も自由に選ぶことができるCBT方式で行われています。

CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピュータを利用して実施する試験で、受験者は試験会場に行き、コンピュータに表示された試験問題にマウスやキーボードを用いて解答します。

 

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出題形式と出題科目

試験時間は120分で、四肢択一式(4つの選択肢の中から1つ選ぶ方法)の問題が、以下の3つの分野から合計100問出題されます。

ストラテジ系:35問程度(経営全般に関する問題)

マネジメント系:20問程度(IT管理に関する問題)

テクノロジ系:45問程度(IT技術に関する問題)

 

合格基準

ITパスポートの合格基準は、総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であることです。

総合評価点:600点以上/1,000点(総合評価の満点)

ストラテジ系:300点以上/1,000点(分野別評価の満点)

マネジメント系:300点以上/1,000点(分野別評価の満点) 

テクノロジ系:300点以上/1,000点(分野別評価の満点)

 

受験者数と合格率の推移

ITパスポートの受験者数は年々右肩上がりで伸びておりますが、それに伴い合格者数も増えています。

合格率は毎回47%~64%と多少のばらつきはありますが、約2人に1人が合格できるような状況です。

受験者数 合格者数 合格率
平成25年度 67,326人 32,064人 47.6%
平成26年度 71,464人 34,215人 47.9%
平成27年度 73,185人 34,696人 47.4%
平成28年度 77,765人 37,570人 48.3%
平成29年度 84,235人 42,432人 50.4%
平成30年度 95,187人 49,221人 51.7%
令和元年度 103,812人 56,323人 54.3%
令和2年度上期 47,380人 30,080人 63.5%

ITパスポートの試験の詳細と、独学におすすめのテキストは下の記事でご紹介していますので、気になる方はこちらをご覧ください。

ITの入門資格のITパスポートの試験の概要と独学におすすめのテキスト

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基本情報技術者

ITの入門資格として次にご紹介するのは、基本情報技術者です。

基本情報技術者の試験はITの世界にもう少し入り込み、アルゴリズムやプログラミング、システムやソフトウェア開発など、実務的なITエンジニアに必要な基礎知識を問う問題が出題されます。

先程ご紹介したITパスポートは入り口のゲートをくぐるパスポートのような試験でしたが、この試験をレベル1とすると基本情報技術者はレベル2にあたります。

 

試験概要

この試験は、情報処理技術者としての知識・技能が一定以上の水準であることを認定するための国家試験です。

試験は午前と午後に行われ、午前の試験で知識を問い、午後の試験では技能を問うことを目的としています。

現職のITエンジニアやこれから従事しようとする人を対象とし、試験ではITの基礎知識や経営、マネジメントについても問われ、IT業界の登竜門のような位置付けです。

受験資格は特になく、年齢、学歴、性別、実務経験に関係なく誰でも受験することができ、例年春と秋の年2回実施されていますが、試験方式がCBT方式に移行となり、今後は変更があるかもしれません。

試験は午前の部と午後の部で行われますが、出題形式に違いがあります。

 

午前の部

午前の試験は150分の試験時間で行われ、四肢択一式(4つの選択肢の中から1つ選ぶ方法)の問題が、以下の3つの分野から合計80問出題されます。

テクノロジ系:50問程度

マネジメント系:10問程度

ストラテジ系:20問程度

 

出題分野の詳細(基本情報技術者:応用情報技術者共通)

テクノロジ系 基礎理論 基礎理論
アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステム コンピュータ構成要素
システム構成要素
ソフトウェア
ハードウェア
技術要素 ヒューマンインタフェース
マルチメディア
データベース
ネットワーク
セキュリティ
開発技術 システム開発技術
ソフトウェア 開発管理技術
マネジメント系 プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント サービスマネジメント
システム監査
ストラテジ系 システム戦略 システム戦略
システム企画
経営戦略 経営戦略マネジメント
技術戦略マネジメント
ビジネスインダストリ
企業と法務 企業活動
法務

 

午後の部

午後の部の試験も150分の試験時間で行われ、図や表を取り入れた長文形式の多肢選択式で出題され、問ごとに設問が設けられています。

合計11問の出題の中から必須問題2問と選択問題の中から3問を選択し、合計5問に解答します。

問1 情報セキュリティ 必須問題
問2~問5 ソフトウェア・ハードウェア、データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計、プロジェクトマネジメント、システム戦略、関連法規など 4問の中から2問を選択
問6 データ構造及びアルゴリズム 必須問題
問7~問11 C言語、Java、Python、アセンブラ言語、表計算 1問を選択

 

合格基準

基本情報技術者試験はそれぞれの問題に配点が振り分けられていて、午前試験・午後試験ともに100点満点の素点方式で採点されます。

午前試験は1問につき1.25点、午後試験は問番号によって配点が異なりますが、合格基準は午前・午後ともに60点以上を得点することが条件です。

 

午後試験配点表

問題番号 配点 必須/選択
1 20点 必須
2~5 各15点 2問選択
6 25点 必須
7~11 25点 1問選択

 

受験者数と合格率の推移

試験は例年春と秋の年2回実施されていますが、合格率は22~30%くらいで、直近10回(平成27年春期~令和元年秋期)に行われた試験の合格率は平均25.2%となっています。

試験日 受験者 合格者 合格率
H27年春期 46,874人 12,174人 26.0%
H27年秋期 54,347人 13,935人 25.6%
H28年春期 44,184人 13,418人 30.4%
H28年秋期 55,815人 13,173人 23.6%
H29年春期 48,875人 10,975人 22.5%
H29年秋期 56,377人 12,313人 21.8%
H30年春期 51,377人 14,829人 28.9%
H30年秋期 60,004人 13,723人 22.9%
H31年春期 54,686人 12,155人 22.2%
R元年秋期 66,870人 19,069人 28.5%

基本情報技術者の試験の詳細と、独学におすすめのテキストは下の記事でご紹介していますので、気になる方はこちらをご覧ください。

IT資格の登竜門!基本情報技術者の試験の概要と独学におすすめのテキスト

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応用情報技術者

応用情報技術者は、基本情報技術者の応用編にあたり、より専門性の高い知識が問われる国家試験です。

基本情報技術者はITの基本的知識や技能を有するかを問う試験で、IT初心者や学生を対象にしていますが、応用情報技術者は業務経験を積んで、既にIT技術や企業活動に関する基礎知識を有する者を対象としています。

基本情報技術者をレベル2とするなら、こちらはレベル3の試験にあたります。

 

試験概要

応用情報技術者は、ITエンジニアとして応用的な知識・技能を有することを証明する国家試験です。

出題科目は基本情報技術者の試験とほとんど同じですが、実務経験があることが前提となり、特に午後の部はより実務的で複雑になった長文の問題が出題されます。

試験は午前と午後に行われ、午前の試験で知識を問い、午後の試験では技能を問うことを目的としています。

とはいえ、受験資格は特になく、年齢、学歴、性別、実務経験に関係なく未経験者でも受験可能で、試験は例年春と秋の年2回実施されています。

 

午前の部

午前の試験は150分の試験時間で行われ、四肢択一式(4つの選択肢の中から1つ選ぶ方法)の問題が、以下の3つの分野から合計80問出題されます。

テクノロジ系:50問程度

マネジメント系:10問程度

ストラテジ系:20問程度

出題分野は基本情報技術者と同じですが、問題の難易度が上がります。

 

午後の部

午後の部の試験も150分の試験時間で行われ、図や表を取り入れた長文形式の記述式問題が出題され、問ごとに設問が設けられています。

合計11問の出題の中から必須問題1問と選択問題の中から4問を選択し、合計5問に解答します。

問題番号 出題分野 必須/選択
問1 情報セキュリティ 必須
問2 経理戦略 選択
問3 プログラミング 選択
問4 システムアーキテクチャ 選択
問5 ネットワーク 選択
問6 データベース 選択
問7 組込みシステム開発 選択
問8 情報システム開発 選択
問9 プロジェクトマネジメント 選択
問10 サービスマネジメント 選択
問11 システム監査 選択

 

合格基準

応用情報技術者の試験もそれぞれの問題に配点があり、午前試験・午後試験ともに100点満点の素点方式で採点されます。

午前試験は1問につき1.25点、午後試験は各20点の配点になっていて、合格基準は午前・午後ともに60点以上を得点することが条件です。

 

受験者数と合格率の推移

試験は例年春と秋の年2回実施されていますが、合格率は22~30%くらいで、直近10回(平成27年秋期~令和2年秋期)に行われた試験の合格率は平均22.1%となっています。

試験日 受験者 合格者 合格率
H27年秋期 33,253人 7,791人 23.4%
H28年春期 28,229人 5,801人 20.5%
H28年秋期 35,064人 7,511人 21.4%
H29年春期 31,932人 6,443人 20.2%
H29年秋期 33,104人 7,216人 21.8%
H30年春期 30,435人 6,917人 22.7%
H30年秋期 33,932人 7,948人 23.4%
H31年春期 30,710人 6,605人 21.5%
R元年秋期 32,845人 7,555人 23.0%
R2年秋期 29,024人 6,807人 23.5%

応用情報技術者の試験の詳細と、独学におすすめのテキストは下の記事でご紹介していますので、気になる方はこちらをご覧ください。

IT資格の応用編!応用情報技術者の試験の概要と独学におすすめのテキスト

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IT入門資格のまとめ

ここまでご覧いただきまして、ありがとうございます。

この記事でご紹介した3つのIT資格(国家試験)は、初心者~中級者までのレベルに応じた試験区分になっていますが、いずれも受験資格がなく、誰でも受験できる国家試験です。

資格取得や技能試験の合格は、転職やキャリアアップには有効な手段です。

ご自身のレベルに応じた試験をお選びいただき、合格を目指してください。

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